海外赴任前に必ず確認が必要なのが予防接種。
健康にも関わるのはもちろんですが、子どもが現地校に入学・入園する際にはワクチン接種証明の提出を求められるため事前の準備がとても大切です。この記事では「アメリカの現地校に通う場合にどの予防接種が必要なのか」を調べる方法を解説していきます。
うちの子はどの予防接種を受ければいいの?
園や学校で必須の予防接種は州のホームページですぐに確認できます。私が実際に調べた方法を解説します。
- 30代 2児の母(7才・5才)
- 高校時代に思い立って1年間アメリカへ交換留学
→ 言語の壁に悩み、毎日泣いて過ごした半年間
→ 必死に勉強して何とか英語を習得 - その経験のおかげでTOEIC 900
- 大手メーカーで海外営業職&塾で英語講師経験あり
- 2022年夏~夫の駐在でアメリカ在住
生きた英語を学び直しています!
日本とアメリカでは、必要なワクチンの種類と接種回数が異なるので気を付けましょう。
州によっても違うことがありますので、必ず入学する州か郡(County)のルールがどうなっているかを確認してください。
流れとしては、
- アメリカで必要な予防接種を確認
- 自分の子がすでに受けた予防接種を確認
- ①②を持ってトラベルクリニックやかかりつけ医で相談
となります。
①を飛ばしていきなり②③に行っても何とかなるとは思います。
でも、①のステップを踏むことで予防接種に関する英語も学べますし、少し自分でも知識を付けてお医者さんに相談できるので安心かと思います♪
今回カリフォルニア州・ニューヨーク州・テキサス州 で必要とされるワクチンは、私が日本語訳をしました。
下のリンクから英文&日本語訳付きの解説までジャンプできますので、早く知りたい方は見てみてください。
(2022年1月の情報です。念のため最新の情報で変更が無いか州のHPにて確認してください)
カリフォルニア州で入学時に必要な予防接種
ニューヨーク州 で入学時に必要な予防接種
テキサス州 で入学時に必要な予防接種
これらの州以外の方は、これから説明する方法で確認できますのでやってみてくださいね。
それでは、具体的な調べ方を解説していきます。
州や学校のホームページで予防接種(Immunization)を調べる
よく出てくる英単語
”immunization” 予防接種
(読み方:イミュニゼイション)
”shots” 予防接種
(読み方:ショッツ)
ワクチン “vaccine” (読み方:ワkシーン)
Googleから検索
Googleの検索画面で”町名 school immunization requirements ”と打ってください。
もしくは”州名 school immunization requirement ” でもOK。
「町名 学校 予防接種 要件」という意味です。
例)カリフォルニア州のサンディエギートという都市で検索した場合
検索結果から”Immunization Requirements”(予防接種要件)らしきものを上から見ていってください。
1番上のサイトが分かりやすいことが多いですが、もし分かりにくければ2番目、3番目も見てみてください。
サンディエギートで検索すると1番上に「サンディエギート学校区」の予防接種要件のページが出てきました。
え、英語だらけで目眩が…。
予防接種の表はどこにあるの?
ページの下や横を探すと、さりげなくPDFファイルがあることが多いです。
上のサイトの場合は、ページ下部 ”Shots for Schools TK-12″(義務教育期間の予防接種)というリンクからPDFファイルが取得できます。
PDFファイルをダウンロードする
大抵の州では上のようにPDFファイルが用意されているので、ダウンロードすると見やすいです。
PDFが無い場合は、ホームページ上に載っているものを見ましょう。
今回は3つの州(カリフォルニア州・ニューヨーク州・テキサス州)の要件を確認してみました。やはり、州によって微妙に違います。
このような感じで州によって箇条書きや表など形式は様々です。下の方で詳しく解説します。
参考:
外務省在外公館医務官ホームページ
各国の医療情報が見られます。2年に1回改訂。子どもの予防接種の情報も載っています。
CDC 推奨予防接種表
アメリカ全体として推奨している予防接種スケジュール。日本よりも定期接種がかなり多いです。
予防接種要件を読んでみよう
ダウンロードしたワクチン要件を日本語訳してみましょう。
実際に3つの州(カリフォルニア州・ニューヨーク州・テキサス州)の要件を日本語訳してみます。
他の州の方も、種類や回数が微妙に違いますが基本的な内容は似ていると思うので参考にしながら訳してみてください。
出てくる主な単語
- Diphtheria/Tetanus/Pertussis(Tdap)
三種混合(破傷風・ジフテリア・百日咳) - Polio
ポリオ - Measles, Mumps, and Rubella(MMR)
新三種混合麻疹(measles)、おたふくかぜ(mumps)、風疹(rubella) - Hepatitis B
B型肝炎 - Varicella
水痘(水ぼうそう) - Meningococcal (MCV4)
髄膜炎菌 - Hepatitis A
A型肝炎 - Meningococcal conjugate vaccine (MenACWY)
髄膜炎菌結合型ワクチン - Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine (Hib)
インフルエンザ菌b型(ヒブ) - Pneumococcal Conjugate vaccine (PCV)
肺炎球菌 - dose/doses
回(接種の回数) - K-12
Kindergarten through 12th gradeのことで、年長~高校3年生(12年生)まで (アメリカでの義務教育期間) - TK
Transitional Kindergarten(トランジショナル・キンダーガーテン)の略。
本来のキンダー前の9月2日~2月2日生まれの子供たちを対象としたプログラム。 - Pre-K
Pre-kindergarten (プレキンダー)のことで、4歳児・年中さんのクラス
求められる予防接種を確認する
実際に、3つの州の予防接種を見てみます。
カリフォルニア州で入学時に求められる予防接種
年長さん~6年生に求められるものを日本語訳します。
- Diphtheria, Tetanus, and Pertussis (DTaP) — 5 doses
※Four doses of DTaP meet the requirement if at least one dose was given on or after the 4th birthday.
Three doses meet the requirement if at least one dose of Tdap, DTaP, or DTP vaccine was given on
or after the 7th birthday
三種混合(破傷風・ジフテリア・百日咳) 5回
※4歳の誕生日以降に1回接種している場合は4回でOK
※7歳の誕生日以降に1回接種している場合は3回でOK - Polio (OPV or IPV) — 4 doses
※Three doses of polio vaccine meet the requirement if one dose was given on or after the 4th birthday
ポリオワクチン 4回
※4歳の誕生日以降に1回接種している場合は3回でOK - Hepatitis B — 3 doses
B型肝炎ワクチン 3回 - Measles, Mumps, and Rubella (MMR) — 2 doses
※Two doses of measles, two doses of mumps, and one dose of rubella vaccine meet the requirement, separately or combined. Only doses administered on or after the 1st birthday meet the requirement.
新三種混合(麻しん・おたふく・風しん)2回
※麻しん2回おたふく2回風しん1回でもOK。分けて接種でも同時接種でもOK。
ただしいずれも1歳の誕生日以降に接種されていること - Varicella (Chickenpox) — 2 doses
水痘(みずぼうそう) 2回
ニューヨーク州で入学時に求められる予防接種
年長さん~5年生に求められるものを日本語訳します。
カリフォルニアとほとんど同じですが、細かな条件が少し違います。
- Diphtheria, Tetanus, and Pertussis (DTaP, DTP, Tdap, or Td) — 5 doses
or 4 doses if the 4th dose was received at 4 years or older or 3 doses if 7 years or older and the series was started at 1 year or older
三種混合(破傷風・ジフテリア・百日咳) 5回
※4回目の接種が4歳の誕生日以降であれば4回でOK
※7歳以上で初回接種が1歳以降であれば3回でOK - Polio (OPV or IPV) — 4 doses or 3 doses if the 3rd dose was received at 4 years or older
ポリオワクチン 4回
※3回目の接種が4歳の誕生日以降であれば3回でOK - Measles, Mumps, and Rubella (MMR) — 2 doses
Both given on or after 1st birthday
新三種混合(麻しん・おたふく・風しん) 2回
※いずれも1歳の誕生日以降に接種されていること - Hepatitis B — 3 doses or 2 doses of adult hepatitis B vaccine (Recombivax) for children
who received the doses at least 4 months apart between the ages of 11 through 15 years
B型肝炎ワクチン 3回
※大人向けのワクチンRecombitaxを11歳から15歳の間に4ヶ月以上の間隔で接種した場合は2回でOK - Varicella (Chickenpox) — 2 doses
水痘(みずぼうそう) 2回
テキサス州で入学時に求められる予防接種
年長さん~6年生に求められるものを日本語訳します。
カリフォルニア州とニューヨーク州との大きな違いとして、A型肝炎が必須になっています。
- Diphtheria, Tetanus, and Pertussis (DTaP, DTP, Tdap, or Td) — 5 doses
1 dose must have been received on or after the 4th birthday. However, 4 doses meet the
requirement if the 4th dose was received on or after the 4th birthday. For students aged 7 years and older, 3 doses meet the requirement if 1 dose was received on or after the 4th birthday.1
三種混合(破傷風・ジフテリア・百日咳) 5回
※4歳の誕生日以降に1回は接種すること。
※4回目の接種が4歳の誕生日以降であれば4回でOK
※7歳以上かつ4歳の誕生日以降に1回接種していれば3回でOK - Polio (OPV or IPV) — 4 doses
1 dose must be received on or after the 4th birthday. However, 3 doses meet the requirement if the 3rd dose was received on or after the 4th birthday.
ポリオワクチン 4回
※3回目の接種が4歳の誕生日以降であれば3回でOK - Measles, Mumps, and Rubella (MMR) — 2 doses
with the 1st dose received on or after the 1st birthday. 1 Students vaccinated prior to 2009
with 2 doses of measles and one dose each of rubella and mumps satisfy this requirement.
新三種混合(麻しん・おたふく・風しん)2回
※1歳の誕生日以降に接種されていること
※2009年以前に麻しん2回とおたふく1回と風疹1回を受けた生徒もOK - Hepatitis B — 3 doses
B型肝炎 3回 - Varicella (Chickenpox) — 2 doses
with the 1st dose received on or after the 1st birthday
水痘(みずぼうそう) 2回
※初回が1歳の誕生日以降に接種されていること - Hepatitis A ―2 doses
with the 1st dose received on or after the 1st birthday
A型肝炎 2回
※初回が1歳の誕生日以降に接種されていること
特にA型肝炎は2~3回接種で最低7ヶ月かかるので早めに調べて動いておくことをオススメします。費用はうちの都道府県のいくつかで確認したところ20,000円~25,000円でした。駐在員の場合は会社が費用負担してくれると思いますが、念のため会社に確認してください。
我が家のかかりつけの小児科ではA型肝炎を打てるそうですが、不慣れな様子だったのでやはりトラベルクリニックが安心かと思います。
参考:
KnowVPDホームページより
A型肝炎ワクチンについて
髄膜炎菌ワクチンについて
日本で求められる予防接種
自分の子がすでに受けた予防接種を確認する
母子手帳でこれまでの接種歴を確認しましょう。
日米共通する定期予防接種は、ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、ヒブ、肺炎球菌、麻疹、風疹、B型肝炎(2016年から定期接種化)、水痘(2014年から定期接種化)のワクチンです。日本で定期の予防接種をすべて受けている方ならば、これらは全部受けていることになります。
入学要件に対して回数が不足している場合は追加接種が必要です。
アメリカでは定期で日本では任意の予防接種は?
アメリカでは定期接種(義務)に含まれている一方で、日本では任意接種となっているワクチンは、おたふくかぜ、ロタウィルス(2020年から日本でも定期接種化)、インフルエンザ、A型肝炎、髄膜炎菌です。また、ヒトパピローマウィルスのワクチンは、日本では女子のみが定期接種の対象ですが、アメリカでは男女ともに対象です。
日本での一般的な予防接種スケジュール
日本で定期接種になっているワクチンで受けていないものがある方は、渡航前に打ち終わるようにしましょう。
トラベルクリニック・ワクチンセンター・かかりつけ医などへ相談する
さて、ここまでで
①アメリカで必要なワクチン
②自分の子がすでに受けたワクチン
が分かりました。
うちの子はおたふくかぜが足りないみたい。あとTdapっていう三種混合も1回足りないから追加しなきゃいけないのかな。
このように自分で把握できた内容が正しいかどうか、トラベルクリニック・都道府県のワクチンセンター・かかりつけ医などに相談してみましょう。こちらの海外渡航学会のホームページに認定のトラベルクリニック一覧があります。この中から探すと安心です。Google検索で「都道府県名 海外渡航者ワクチンセンター」と検索してもOK。
あとは、相談先の医師から指導された予防接種を受ければ完了です。
参考:日本のみで行われる予防接種は?
日本で行われていて、アメリカで行われていない予防接種は、BCGと日本脳炎の二つです。これらはアメリカでは定期接種に含まれてはいませんが、受けたい方は医療機関や保険会社に問い合わせれば受けられる場合もあります。駐在員の場合は費用は会社が負担してくれるケースもあるようなので会社に確認してみてくださいね。
この記事では「アメリカの現地校に通う場合にどの予防接種が必要なのか」を調べる方法を解説してきました。
日本とアメリカでは必要なワクチンの種類と回数が結構違いましたね。赴任先でも予防接種は受けられるので焦りすぎる必要はありませんが、慣れた日本の医療機関でできるだけ受けておいた方が安心かと思います。ぜひ早めに調べて動いておくことをオススメします。
日本語訳も参考にしてもらえると嬉しいです♪
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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